2011年01月28日

甲子園の心を求めて

尾藤さんがかつて、朝日新聞に書かれたという一文をみつけました。
それは同じ高校野球指導者であった「甲子園の心を求めて」の著者、
佐藤道輔さんの訃報を受けてのもの。
以下は、その転載です。

 活力あふれる野球部を作り上げた佐藤さんの奮闘記だ。
 練習環境の厳しい中で野球を通じて成長する生徒の姿
 が描かれ、高校野球指導者の間でバイブル的な本 となった。
 当時すでに選抜大会で全国優勝していた尾藤さんが感動して
 手紙を書き、練習試合を申し込んだ。
 遠征で互いの自宅をに宿泊し合う間柄になった。
 「酒を酌み交わし、朝まで野球の話をしました。
 多大な影響を受けました」


 佐藤さんは高校時代に肩を痛め、大学でのプレーを断念。
 高校野球の指導者を目指した。
 社会科の教諭となり、都立高校4校で通算32年間、監督を
 務め、すべての高校をシード校に育てた。
 勝利至上主義を嫌い、人間育成に力を注いだ。
 レギュラーも補欠も同じ愛情で接し、同じ練習を課した。
 ベンチ入りは部員の投票で決め、選手に責任感を持たせた。
 78年当時の東大和高校主将は言います。
  「最後まであきらめるな」
  「やればできる」
 という言葉が今でも心に残っています。
 (朝日新聞より) 

この時、尾藤さんは「初めて読んだ時、泣きました。
読み返して、また涙が出ました」とも語っていたとあります。

先日の東尾修氏の殿堂入り祝賀会のメッセージで、
「まさか四十数年前にミカン畑で2人で歩きながら、
甲子園行きたいなっていう夢を語ったおまんが
殿堂入りするなんて……。すごいですね」と称えながらも、
「いっぱいの人々のご恩を受けてんのやということをどうか理解しながら、
これからは地元のために尽くすことを考えていってください」と東尾氏に
語りかけた尾藤さんの胸中には、勝負にこだわりつつも、
選手たちの人間的な成長を見守ってきた人だけの
強い思いのようなものを感じることができますね。



Posted by 一球入魂 at 18:15│Comments(0)
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